庄野歯科インプラントセンター

ドクターコラム

歯周病よりも怖い
インプラント周囲炎とは?

インプラント周囲炎

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インプラント周囲炎は
インプラントの脱落を
引き起こします

インプラント周囲炎は、その名の通りインプラントの周囲で起こる炎症のことです。インプラントはチタンでできているため、それ自身が虫歯になることはありませんが、周囲組織で炎症が起こることで、天然歯の歯周病のような病気になってしまうのです。

インプラント治療を受ける上で、インプラント周囲炎は避けては通れないトラブルの一つだといえます。これからインプラント治療を受けるという方は、原因や予防法について正しい知識を身につけておく必要があります。

インプラント周囲炎の
4つの特徴

埋め込まれたインプラント

インプラント周囲炎は、天然歯にみられる歯周病とよく似た病気ですが、インプラント周囲炎ならではの次のような特徴があります。

特徴1自覚症状が少ない

インプラント周囲炎の恐ろしいところは、初期段階で自覚症状がないところです。症状が悪化して、気づいた時には修復不可能な状態に陥っているケースも少なくありません。歯周病に似た次のような症状には注意が必要です。

インプラント周囲炎の主な症状

  • 歯肉の腫れ・赤み・出血
  • 歯周ポケットの形成
  • 歯肉から排膿
  • 歯肉の退縮
  • インプラントのぐらつき

特徴2進行が早い

インプラント周囲炎が進行するスピードは、一般的な歯周病の10~20倍だといわれています。天然歯が歯槽膜を介して骨とつながっているのに対して、インプラント体は直接骨と結合しているため、歯肉で細菌感染が起こると、あっという間に骨にまで炎症が広がってしまうのです。

特徴3インプラントを支える骨が
破壊される

細菌に感染すると免疫機能が働くため、これ以上感染が広がらないように歯槽骨が破壊される「骨吸収」が起こります。さらに、インプラント周囲炎の病原菌が出す毒素によって骨吸収が促進されるため、インプラントのぐらつきを放っておくと、最悪の場合はインプラントが抜け落ちてしまうこともあります。

特徴4インプラントの撤去が
必要になることも

炎症が歯肉に留まっている「インプラント周囲粘膜炎」の状態なら、治療によって完治が望めますが、重度のインプラント周囲炎にまで悪化してしまうと、骨吸収や歯肉退縮が進むため、インプラントを撤去せざるを得なくなります。撤去するためには、インプラント体の周囲の骨を削る外科的治療が必要です。

インプラント周囲炎に
なってしまったら

頬をおさえる女性

インプラント周囲炎と診断された場合、せっかく埋入したインプラントを守るためにも、早期治療が不可欠です。特に、インプラント周囲炎は非常に進行しやすいため、早めに対処しないと取り返しのつかないことになりかねません。

インプラント周囲炎の治療では、主に次のような処置が行われます。

インプラント周囲炎の治療方法

  • プラークの除去
  • 抗生剤の服用
  • 消毒薬で洗浄
  • 外科治療

インプラント周囲炎の治療は進行段階によって異なります。初期のインプラント周囲粘膜炎の段階ならば、細菌感染を抑えるための治療として、クリーニングによるプラークの除去のほか、薬の服用や患部の洗浄を行います。

しかし、炎症が歯槽骨にまで及んでいる場合には、外科治療が必要になります。歯肉を切開して、インプラント体の表面に付着した歯石や周囲の汚染組織を除去します。さらに、骨吸収が進んでいる場合は、骨造成などの再生治療が必要になる場合もあります。

このような方は
インプラント周囲炎に
注意が必要です

インプラントを埋入すると、誰でもインプラント周囲炎が起こる可能性はありますが、次のような条件にあてはまる方はインプラント周囲炎になりやすいため、然るべき対処が必要になります。

歯周病を発症している方

歯周病菌はインプラント周囲炎の原因菌のため、十分な注意が必要です。特に、歯周病で歯を失った場合、残存歯の歯周病治療が不十分だとインプラント治療はできません。たとえ、治療を行ったとしても失敗を招くため、インプラントの埋入前に歯周病の治療を行い、口腔内の細菌を減らす必要があります。

また、歯周病は非常に再発しやすい病気のため、インプラントの埋入後はメンテナンスを徹底し、再発を防ぐほか、万が一発症してしまった場合は、初期症状を見逃さないことが大切です。

糖尿病と診断された方

歯周病は、糖尿病の代表的な合併症として知られています。高血糖の状態が続くと、細菌に対する免疫力が低下し、組織代謝や血流に悪影響を与えるため、歯周病が重症化しやすいのです。糖尿病によって歯周病のリスクが高まると、インプラント周囲炎が起こりやすくなるため、術前・術後の血糖値のコントロールが必要です。

一方で、歯周病菌による炎症がひどくなると、インスリンの働きが阻害されるため、さらなる糖尿病の悪化を招くことも分かっていることから、糖尿病と歯周病の悪循環を断ち切る必要があります。

糖尿病の方は、次のことが必要です。

  • 糖尿病であることを歯科医に知らせる
    (カウンセリングの段階で)
  • 服用している薬、使用しているインシュリン(種類)を歯科医にも知らせる
  • 手術当日のインシュリン注射や薬の服用について、事前に内科医に確認しておく

また、手術当日は、腫れや痛みにより食事の量が減ってしまう場合がありますし、食事制限が必要になる場合もありますが、その状態で普段通りにインシュリン注射を使用してしまうと、血糖値が下がりすぎてしまいます。
手術当日のインシュリン注射や薬の服用、食事制限の有無について、事前に確認することが必要です。

重度の糖尿病の人はインプラント治療をおすすめできません

軽度の糖尿病で、きちんと血糖値のコントロールができていれば、インプラント治療も可能です。しかし、糖尿病が進行すると、インプラントの感染リスクを高めてしまうため、重度の糖尿病の場合は、インプラント治療をおすすめできません。

インプラント治療を受けるには、「ヘモグロビン・エイワンシー(hba1c)」という値が6.5未満である必要があります。hba1c値7.0以上になると合併症が起こりやすく、インプラント治療においても感染リスクが高いのです。
また、hba1c値が6.5未満であっても、内科医にインプラント治療を受けることについて相談する必要があるでしょう。内科医と歯科医の連携が必要になるケースもあります。

糖尿病の方は、インプラント治療前だけでなく、インプラントを使っていく限り、インプラントメンテナンスに加え、血糖値コントロールが必要となります。

タバコを吸う方

喫煙によって、ニコチンや一酸化炭素のほか、さまざまな有害物質が体内に取り込まれることによって、免疫力の低下や血流の悪化が引き起こされて、インプラント周囲炎が起こりやすくなります。さらに、ニコチンの影響でメラニン色素沈着が起こると、歯肉の黒ずみがひどくなるため、歯肉の炎症の早期発見が難しくなってしまうのです。

禁煙をすると数日で血流が回復するほか、歯肉の黒ずみも時間とともに改善されることから、タバコを吸われる方がインプラント治療を希望される場合は、計画的な禁煙が重要となります。

インプラント周囲炎を
予防するには?

治療中の歯科衛生士

インプラント周囲炎にならないようにするためには、正しい歯磨きと定期的なメンテナンスが最も重要だといえます。歯磨きだけではしっかりと汚れを落とすことができないため、メンテナンスによってプラークの除去を行い、さらに、インプラントに異常がないかチェックする必要があるのです。

メンテナンスについては、「インプラントの失敗を防ぐメンテナンスとは?」で詳しく紹介しています。

インプラント周囲炎を放っておくと、インプラントだけでなく、周囲の健康な歯にも悪影響を与えてしまいます。お口全体の健康を守るためにも、定期的にメンテナンスを受けて、インプラント周囲炎を未然に防ぐことが大切です。

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  • 2017年12月28日ホームページをリニューアルしました